WORKS

静岡県中・東部に店舗を展開されている製菓会社、雅心苑様。
急遽、そのうちの１店舗を移転することになり、内装デザインを担当させていただきました。

【ご依頼の背景】
HPから弊社の空間デザイン事例を見てお問合せを頂きました。
急に店舗を移転されることになり、移転先の店舗スペースはなんと現在の1/3以下！改装のアイデア・デザインのご相談を頂きました。
弊社のある浜松市と、移転先の御殿場市は場所が離れていることもあり、工事や開店までの全体のスケジュールを意識しつつ、お打合せを進めていきました。

【ご要望】
今後も移転になる可能性があるとのこと。現在の店舗のもので使えるものは再利用し、予算をおさえつつも、現状をブラッシュアップしたような新鮮な内装をご希望でした。また、1/3以下という狭い空間を、工夫して上手に使えるアイデアをお探しでした。

【ご提案】
扱っている商品が和菓子であることもあり、今回のコンセプトは『大正ロマンのような和モダンスタイル』。明治時代に日本の文明の発達を示す目的で建てられた鹿鳴館のような、和洋折衷の上品な雰囲気を表現でできるよう工夫し、予算に無理なく、無駄なくの考えでご提案を進めていきました。

雅心苑様で販売されている和菓子。パッケージやお菓子自体に色、柄があるので、商品を並べる什器は色味をおさえ、商品を引き立たせつつも雰囲気を作れるよう、全体の色調を整えました。実はこの什器は、移転前の店舗で使っていたもの。リメイクしなおして、新しい店舗に合わせ再利用しました。

新しい店舗は天井が低いスペースでしたので、空間の上は明るく、下に重さを感じさせる暗めの色をもってきて、安定感と上部のすっきり感を作りました。

小さい空間の中に、柱や梁がでている構造であった為、什器の配置はかなり考えました。結果、人がスムーズに回遊できるように配置することができ、来店するお客様にとっても利用しやすい空間を作ることができました。

イートインスペースや、カウンタースペースは、奥の壁を柄のクロスでアクセントに。自然と視線が誘導され、狭い空間でも奥行を感じられるようになります。また、色数を絞ることで、柄を使った場合でも落ち着いた上品な印象を作ることができます。

照明計画にもこだわりました。商品を見やすいよう、必要なところにダクトレール式のスポットライトを配置。１つの空間の中で、光の強弱がうまれ、雰囲気づくりの重要な要素となります。

また、内装だけではなくアプローチにもこだわりました。実はこちらの店舗、出入口入口が2ヶ所にあったのですが、以前あった店舗と逆の出入り口をメインの出入り口とすることにしました。そうすることで、駐車場からのアクセスも良くなり、看板、サイン、植栽の要素を効果的につかってアプローチを作ることができると考えたからです。外壁の色も塗装で整え、外装・内装ともにコンセプトに添った店舗になりました。

before

after

【お客様の声】
既存の廃店を、短期間にとてもきれいに改装してくれて有難いです。
狭くなった分、以前のお店で使っていた什器がどこまで使えるか心配でしたが、上手に再利用して頂けてよかったです。また、お店の雰囲気を良い方向に変えることができ、満足しています。

【お客様の声を受けて】
嬉しいお言葉をありがとうございます。
遠方でしたがお声をかけて頂けて嬉しく思います。店舗面積が小さくなる中で、ご要望にお応えできるようにとのプレッシャーはありましたが、結果としてこじんまりしつつも良い雰囲気の空間が作れたと考えております。改装後の新店舗にもお伺いしましたが、小さくなった分、お客様との距離も縮まったように感じました。

今回、現場との距離はありましたが、建物の工事を担当されている業者の方がとても協力的で、スムーズにプロジェクトを進めることができました。私たちの仕事は、関係者のみなさまのご協力に助けられる部分も多いと、改めて感じた次第です。

同じ「和菓子店」の内装であっても、デザインのコンセプトによって出来上がるものは異なってきます。今後も、それぞれのお店の商売の形をつくるご協力ができるよう、ご提案をしてまいりたいと思います。

今回デザインさせて頂いた、雅心苑様のHPはこちら